風俗経営をしている人であれば、広告選びについて悩んでいる人は多いのではないでしょうか。広告選びの際には規制について知っておく必要があります。風俗広告は、看板や貼紙などの法規制があるほか、Web広告に関しても各検索サービスで禁止されていることがほとんどです。
この記事では、風俗広告の規制に関する知識を踏まえ、おすすめの広告の種類や、効果的な宣伝方法について詳しく解説します。開店を控えている方や、自店の集客力を高めたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
広告にはさまざまな種類がありますが、風俗広告は広告規制があるため、店舗を宣伝する際には注意が必要です。風俗店を運営する際に順守しなければならない風営法には、以下のように定められています。
風営法 第十六条
風俗営業者は、その営業につき、営業所周辺における清浄な風俗環境を害するおそれのある方法で広告又は宣伝をしてはならない。
引用:e-Gov法令検索「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」
さらに、風営法二十八条によって風俗店の広告方法について細かく規制されています。
風営法 第二十八条
店舗型性風俗特殊営業を営む者は、前条に規定するもののほか、その営業につき、次に掲げる方法で広告又は宣伝をしてはならない。
一 次に掲げる区域又は地域(第三号において「広告制限区域等」という。)において、広告物(常時又は一定の期間継続して公衆に表示されるものであつて、看板、立看板、はり紙及びはり札並びに広告塔、広告板、建物その他の工作物等に掲出され、又は表示されたもの並びにこれらに類するものをいう。以下同じ。)を表示すること。
イ 第一項に規定する敷地(同項に規定する施設の用に供するものと決定した土地を除く。)の周囲二百メートルの区域
ロ 第二項の規定に基づく条例で定める地域のうち当該店舗型性風俗特殊営業の広告又は宣伝を制限すべき地域として条例で定める地域
二 人の住居にビラ等(ビラ、パンフレット又はこれらに類する広告若しくは宣伝の用に供される文書図画をいう。以下同じ。)を配り、又は差し入れること。
三 前号に掲げるもののほか、広告制限区域等においてビラ等を頒布し、又は広告制限区域等以外の地域において十八歳未満の者に対してビラ等を頒布すること。
引用:e-Gov法令検索「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」
市役所や学校、児童福祉施設などの公共施設の周囲200m以内を「広告制限区域」とし、看板や貼り紙、広告版などで宣伝することは禁止されています。宣伝によって地域の風紀や青少年の育成に影響を及ぼすと判断された各都道府県の条例で定められた地域である「広告制限地域」も同様に、風俗店の宣伝はできません。
ポスターや看板に変わるその他の宣伝方法として、Web広告が存在します。風営法では、Web広告は禁止されていません。しかし、各検索サービスでは、アダルトコンテンツの広告についての規制が存在します。例えば、Googleでは、アダルトコンテンツに関しては下記のように規制が設けられています。
性的なコンテンツに関するGoogleの広告ポリシー
広告はユーザーの意向を尊重するとともに法規制を遵守している必要があります。広告およびリンク先においては一部の性的コンテンツが規制されています。ユーザーの検索語句と年齢、および配信先地域の法律に基づいて、限られた場合にのみ表示されます。未成年者を広告のターゲットにすることは禁止されています。
引用:Google広告ポリシー ヘルプ「アダルト コンテンツ」
Web上では風俗店の広告を出すことは制限されており広告自体を掲載するのが難しいため、広告以外での宣伝方法を検討する必要があるでしょう。
風俗業界の広告に制限があると言っても、宣伝方法が1つもないわけではありません。風営法を順守しながら風俗店を宣伝するには、5つの代表的な方法があります。
ここでは、風俗広告の種類について確認しましょう。
ポータルサイトは、風俗店を利用する多くのお客さんが閲覧するため、集客効果が見込める広告の1つです。ポータルサイトへ広告を掲載する場合には、広告の位置や大きさ、数によってプランを選択します。
ポータルサイトの目立つところに広告を掲載すれば多くの人に注目してもらえる一方で、金額もアップする点を理解しておきましょう。
風俗ポータルサイトに掲載する際には、目を引くデザインやコンセプトを考えるだけでなく、料金などの具体的な数字を記載するのがポイントです。広告がクリックされやすくなり、売上増加につながるでしょう。
無料案内所とは、繁華街にあるキャバクラや風俗店を無料でお客さんに案内する場所です。お客さん側からすれば、無料でお店を紹介してもらえて、探す手間が省けるメリットがあるため、有効な集客方法であると言えます。
無料案内所に広告を掲載するには、少なくとも5万円ほどの費用が掛かると言われています。費用の内訳としては、「広告パネルの制作費」「広告掲載料」「売上に対するキックバック」が一般的です。
具体的な費用については、非公開の案内所が多いため、詳細については問い合わせが必要です。
SNSは、無料で手軽に始めることができる集客ツールです。お店の情報を掲載して拡散することによって、広告効果を得られます。SNSはエリアを限定せずにお店の知名度を上げることが期待できる点が魅力です。
SNSを広告として活用する場合には、それぞれのSNSの特徴に合わせて写真や文章を考えながら投稿することが重要です。SNS単体だけで使用するのではなく、お店のホームページなどとプラスアルファで運用するとよいでしょう。
内容の充実したホームページは、ポータルサイトに依存しない集客手段として活用されています。ホームページはお店の顔であると言っても過言ではありません。しっかりとしたホームページを作成することが重要となるため、費用を惜しまずに専門の業者に依頼するのがオススメです。また、お店を検索する際には、パソコンではなくスマートフォンを活用する人が多いため、スマホで見やすいように工夫も必要となります。
また、店舗ホームページを持つとお客さんに安心感を与えられるというメリットもあります。
MEOとは、Google Mapの情報を最適化することです。Googleマイビジネスに登録をして運用すると、Googleマップに自分のお店の情報を掲載することができるようになります。風俗ユーザーは、Googleマップでお店を検索する人も多く、新規の利用客の目にとまる可能性が期待できるでしょう。
ただし、MEOの運用はすぐには効果が出ないこと、悪質な口コミなどの対策が必要になる点を理解しておく必要があります。
費用を掛けて広告を出しても、思ったように集客ができないというケースもあるでしょう。
ここでは、風俗広告で効率的に宣伝するための3つのポイントについて、詳しく確認しましょう。
お店の業態やターゲットに合わせた広告を選ぶことは重要です。例えば、ポータルサイトは、ジャンルごとに特化したサイトが多数存在するので、お店のジャンルや業態に合わせたものを選択するのが効果的です。
また、リピート客の状況に応じて、広告プランの選択を決定することで、より効率的に集客ができるでしょう。
広告を掲載する際には、予算を決めて制作を進めることが大切です。予算を決めずに広告を決めてしまうと、費用が掛かりすぎて店舗運営に影響を及ぼす恐れがあります。
新規のお店をオープンする場合には、広告費用として数か月の間は予め予算を取っておくとよいでしょう。
また、予算が少なすぎても広告の効果が薄れてしまうことが考えられるため、安ければよいというわけではありません。広告を投資と考えて、予算はしっかりと取っておくことが重要です。
広告運用を広告代理店に依頼すると、広告を出す際に手間が掛からないだけでなく、自分の店舗に合った広告内容を提案してもらえる点がメリットです。広告代理店では、さまざまな広告媒体を豊富に取り扱っているため、予算や希望に合わせた媒体を紹介してくれます。
広告代理店を選ぶ際には、以下のポイントに注意して選択しましょう。
得意分野を調べる | 「Web広告が得意」「ターゲット分析が得意」「SEO対策が得意」など、代理店によってそれぞれ得意分野があります。専属のカメラマンに風俗嬢の撮影を担当してもらえる場合もあるため、代理店の強みを把握しておきましょう。 |
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スピード感のある対応 | 代理店に依頼する際には費用を支払います。費用を支払うからには、それに見合った働きをしてもらう必要がありますが、代理店によっては対応が遅いなど、不誠実な対応をするケースも考えられます。契約前には、代理店がしっかりとした対応をしてくれるか、やり取りの速度や口コミを確認しておく必要があるでしょう。 |
アフターサービスがしっかりしている | 広告に問題があった場合にも改善してくれるなど、アフターサービスがしっかりしている会社であれば、安心して依頼ができます。広告を掲載して終わるだけの代理店ではなく、掲載後も定期的に運用状況を報告してくれたり、次の提案をしてくれたりする代理店を選びましょう。 |
また、新規開業する場合は、フランチャイズにすることでホームページ作成や広告出稿のサポートや集客のノウハウが得られます。これから出店を検討している場合は、フランチャイズ経営を検討するのもよいでしょう。
風俗広告を出す際は、法規制や検索エンジンの規制などをしっかりと把握した上でルールを守って運用しましょう。広告の方法は、ポータルサイト・無料案内所など外部のサービスの頼る用法から、ホームページ・SNS・MEO対策など自身で行えるものまで多岐にわたります。自店のサービスや客層に合った広告方法を選ぶとよいでしょう。
なお広告を出す際に代理店を通すと、方針を考えたり運用したりする手間が省けます。これから起業を考えている場合は、広告宣伝のノウハウを得られるフランチャイズという選択肢もあるでしょう。