人々に性欲がある限り、性風俗産業は衰退しません。性欲は人間の三大欲求の1つであり、なくなることはないとされています。近年では生涯未婚率も増加しており、風俗経営は今後もより注目されるビジネスと言えるでしょう。
風俗業界に参入し、経営を成功させるためには、まず業界の現状と将来性をきちんと考えておくことが大切です。その上で、成功に向けた経営術を実践しましょう。
そこで今回は、風俗業界の現状・市場規模から、将来性、成功を収めるための鍵まで詳しく解説します。風俗業界への参入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
風俗業界へ参入するなら、まずは風俗業界の現状・市場規模について確認しましょう。
矢野経済研究所が公表した調査結果によると、2016年における風俗業界含むアダルト向け市場の経済規模は約47兆円でした。
風俗業界の市場規模は年々拡大していることから、上記調査結果の公表より6年以上が経過した現在では、さらに巨大市場となっていると言っても過言ではありません。
また、警察庁生活安全局保安課の調査によると、2022年時点で無店舗型性風俗営業の届出数は22,389件でした。性風俗関連特殊営業の中では飛び抜けて割合が多い結果となっています。
無店舗型性風俗店の届出数は過去5年で968件増加しており、市場規模は年々拡大しています。一方で店舗型性風俗営業は減少傾向にあるため、近年の性産業では無店舗型風俗店の新規開業が一般的と言えるでしょう。
無店舗型風俗店の中では、派遣型ファッションヘルスの割合が全体の9割以上を占めています。デリヘルやホテヘルといった業種の需要は伸び続けており、今後もさらに増加する見込みです。
コロナウイルスの流行によってさまざまな業界が大きな影響を受けましたが、風俗業界も例外ではありません。しかし、現在はコロナウイルスによる経済的影響は収束に向かいつつあり、風俗業界の市場規模は拡大期に入っています。
風俗業界の今後の展望について詳しく解説します。
コロナ禍では外出やお店の営業に関して規制がかかり、多くの風俗店が大きな打撃を受けました。風俗店は特にマスクなしで濃厚な接触をする業種のため、コロナウイルスへの感染を恐れて風俗業界を避けるお客さんが続出しました。コロナ禍の打撃を受けて閉店した風俗店や、稼ぎが激減した風俗嬢も少なくありません。
しかし、現在はアフターコロナと呼ばれる時代に入り、移動規制も緩和されたことで風俗業界への客足も戻りつつあります。状況は店舗によって異なるものの、業界全体として景気回復に向かい始めていると言えるでしょう。
2024年現在、日本ではインバウンド需要、つまり海外からの旅行者の需要が拡大しています。水際対策緩和以降訪日外国人は急速に増加しており、外国からの需要を取り入れて収益を伸ばそうと工夫している日本企業も増加傾向です。
風俗業界でもインバウンド需要の影響で、毎日のように外国人のお客さんが来るというお店もあります。外国語での対応が可能な従業員を採用したり、情報発信を多言語で行ったりと、インバウンド需要に備えた取り組みを行っている風俗店も少なくありません。外国人向けの集客ができる風俗店は今後成長する可能性が高いと言えます。
風俗業界は、失うことを知らない男性の欲求に対してダイレクトに向き合っています。また、女性にとっては高収入を得られる業界でもあり、近年では女性の性欲を満たす「女性用風俗」の人気も高まっています。
歴史の移り変わりによって、需要が失われていく産業は数多く存在します。しかし、「性欲を満たしたい」「高収入を得たい」と考える方がたどり着く先でもある性風俗産業は、古くから一貫して需要の高い産業と言えるでしょう。
とはいえ、店舗型風俗店が衰退して無店舗型風俗店が伸びるなど、業界内での動きがあることも特徴です。ここからは、風俗業界の将来性に関連するいくつかの詳細情報を解説します。
風俗業界の中でも、無店舗型風俗であるデリヘルは年々成長を続けています。デリヘルとは、女性キャストがお客様の指定した自宅・ホテル・レンタルルームに派遣して性的サービスを提供する風俗ジャンルです。
風俗業界と風俗の経営に関する法律である「風営法」は、切っても切れない関係にあります。1998年の法改正により適法となったデリヘルは、実店舗を構える必要がなく、深夜・早朝問わず24時間営業のできる唯一の風俗業種です。その開業ハードルの低さからデリヘル市場は爆発的に拡大し、現在では主流のジャンルとなりました。
大手デリヘルグループはもちろん、小規模なデリヘルでも繁盛しているケースは多く、現在でも新規開業が続いています。このように、デリヘルはあらゆる風俗業種の中でも特に将来性に長けている職種だと言えるでしょう。
デリヘルをはじめとした無店舗型風俗に注目が集まる一方で、店舗型風俗の経営環境には逆風が吹いています。これには、風営法などの規制が大きく関係しています。
店舗型風俗店は、風営法や自治体の規制による取り締まりが強化されたことによって、現在では限られたエリアでしか出店できません。加えて、出店できるエリアにはすでに多くの店舗型風俗店が存在しており、新規開業をする余地がないことも実情です。
したがって、店舗型風俗店の新規開業は事実上不可能と言っても過言ではありません。もし店舗型風俗店を開業したいのであれば、既存店を買収するM&Aが一般的な方法となります。
風俗業界は、かつてアンダーグラウンドな業界だと言われてきました。「風俗店は暴力団と密接な関係をもっている」という噂を聞き、不安に思った方も多くいるでしょう。
実際に1980年~1990年代における日本の風俗業界には、暴力団と関係のある風俗店も一部存在していました。しかし、「暴力団排除条例」が2009年に施行され、取り締まりがさらに強化されたことによって、双方に大きなリスクやデメリットを抱える事態となりました。
現在では、暴力団との結びつきを根絶している風俗店が大半です。たとえ暴力団とのつながりをもつ風俗店があっても、取り締まりによってすぐに排除される傾向にあります。このように、風俗業界は業界全体の健全化が進んでいることが特徴です。
風俗業界は全体的に市場規模が拡大傾向にありますが、中でもデリヘルは開業のハードルが低く、比較的始めやすい業種となっています。ほかにも以下のようなメリットがあるため、風俗業界に新規参入するならデリヘルを開業するとよいでしょう。
デリヘルは無店舗型性風俗営業に該当する業種です。サービスを提供する場所としてお客さんの自宅やラブホテルを使用するので、お店を構える必要がありません。店舗型風俗店のように設備を整える必要がほとんどないため、最低100万円からでも開業できます。
約100万円でデリヘルを開業する場合の、初期費用の内訳例は以下の通りです。
費用内訳 | 金額 |
---|---|
事務所の家賃・敷金礼金 | 30万円 |
備品類 | 10万円 |
公式ホームページ作成費 | 20万円 |
求人広告費 | 15万円 |
広告宣伝費 | 15万円 |
人件費、通信費、雑費など | 10万円 |
上記に加え、キャストの送迎に必要な車を自前で準備できない場合などは、別途費用が必要になります。
デリヘルは開業の際に、営業の本拠となる事務所を定めることが必要です。ソープやファッションヘルスといった店舗型風俗は、風営法によって営業可能な場所が細かく定められています。
一方、デリヘルの場合は事務所・待機所を風営法の禁止地区内で開くことも可能です。ただし、受付所は風営法による規制の対象となるため、受付所は設置せず、完全にデリバリーのみで営業する形になります。
事務所や待機所の部屋数や床面積といった条件についても、細かな制限はありません。例えばワンルームマンションなどの狭い物件であっても事務所を設置できます。ただし、賃貸借物件をデリヘルの事務所として利用する場合、物件の所有者からの使用承諾を得ることが必要です。
店舗型風俗店には営業時間に制限が設けられており、午前0時から午前6時までの間は営業できません。深夜0時になった時点で、店舗の中にお客さんが1人もいない状態にする必要があります。
一方、デリヘルやホテヘルといった無店舗型風俗店には営業時間の制限がなく、深夜営業も可能なため、24時間営業を行っているデリヘルも少なくありません。デリヘルはお客さん側が時間帯を気にせずに利用でき、集客を見込める点が大きなメリットです。風俗嬢やスタッフにとっても、働き方の幅が広がるというメリットがあります。
デリヘルは、1つの届出に対する屋号の数に制限がありません。同一の事務所で複数の屋号を利用するのも可能であり、コンセプトが異なる複数のデリヘルを営業してリスクヘッジできる点が大きなメリットです。したがって、名義上1~2店舗から営業開始するデリヘルも多くなっています。
コンセプトがスタンダードな店舗の場合は、1店舗からスタートする方も少なくありません。しかし、「女子大生専門」や「熟女専門」、「SM系」など、何かに特化したコンセプトのお店は、顧客層や働きたい女性が絞られます。そのため、キャストの募集がしやすいスタンダードな店舗を同時に開業するケースが多いです。
ただし、開業する店舗の数だけホームページや広告費などがかかるため、最初から3店舗以上の同時開業を行うケースは少ない傾向があります。
風俗業界は将来性の明るい業界と言われていますが、単純に新規開業をして適当に集客をするだけではなかなか成功できません。着実に店舗数を増やしてきた風俗店オーナーは、その実績に至るまでの努力を続けてきています。
最後に、風俗業界で成功を収めるためのポイントを5つ、それぞれ具体的に紹介します。
風俗店を新規開業するなら、お店のコンセプトや方向性は慎重に検討することが大切です。
お店のコンセプトに見合ったオプションサービスや備品を用意する必要があるほか、お店に在籍させる女性キャストの系統も揃えなければなりません。コンセプトが決まっていない状態でこれらを揃えると、不統一な印象が生じてお客様の満足度を下げてしまう可能性があります。
また、デリヘルを開業するのであれば、ほかにはない新たなコンセプトを打ち出すことも鍵です。デリヘル業界は競合店が多く、競合と似たようなコンセプトでは多くのお客様の注目を集めることができません。珍しいコンセプトを打ち出して差別化を図るためにも、徹底的に競合調査を行いましょう。
風俗を利用するお客様は、女性キャストを目当てに来店します。どれほど競合に負けないようなコンセプトを打ち出したとしても、キャストの質が低ければ、新規顧客は獲得できてもリピーターの増加は期待できません。そのため、質の高いキャストの確保にも力を入れましょう。
風俗求人サイトなどに求人広告を掲載し、前向きに働いてくれるキャストを採用するだけでなく、キャストに対するプレイや接客マナーなどの教育も欠かせません。また、電話対応などを行う男性スタッフの質も、女性キャストと同様に重要です。
高級店や繁盛店は、女性キャスト・男性スタッフの質の高さも評価されているため、一度利用して実際に接客態度をチェックしてみることもおすすめします。
集客力が高いデリヘル店ほど売上アップにつながるため、集客戦略を立てることは重要です。風俗誌への広告掲載が主な集客方法だった時代もありますが、今はネット集客が主流となっています。SNSの活用やSEO・MEO対策、オウンドメディアの制作などを行い、インターネットを通して多くの方に認知してもらうのがおすすめです。
デリヘル経営を安定させるためには、女性キャストたちの定着率を上げることが大切です。風俗店のお客さんは、お店そのものよりも女性キャストを目当てに利用するケースが多くなっています。よって、女性キャストが退職するとお店のリピート客も一緒に失う可能性が高いです。
現在の勤務先に不満がある場合や、競合他店のほうが条件がよいと判断された場合、キャストが退職しやすくなります。キャストの退職を防ぐためには、労働環境をよくし、働きたいと思ってもらえるお店を目指すことが重要です。
風俗フランチャイズとは、風俗事業を展開する大手グループの本部(親企業)からお店の経営ノウハウ・ブランド力を提供してもらう代わりに、その対価として定められた加盟料(ロイヤリティ)を毎月支払うというビジネスモデルです。
フランチャイズに加盟することで、風俗経営における相談先が確保できるため、風俗店の経営経験が乏しい方でも気軽に相談できるようになります。さらに、幅広い人脈を構築できたり、開業・集客・広告に関するサポートを受けられたりする点もメリットです。
風俗フランチャイズの加盟料は、大きく売上連動型と月額固定型の2種類に分けられます。低リスクで風俗業界へ参入したいという方は、より開業ハードル・失敗リスクの低いデリヘルフランチャイズに加盟して開業することがおすすめです。
風俗業界の市場規模は、年々拡大しています。歴史の移り変わりによって需要が失われていく産業は数多く存在するものの、性産業は今後も需要の高まる産業と言っても過言ではありません。
しかし、店舗型風俗店が衰退して無店舗型風俗店が伸びるなど業界内での動きがあるほか、ただ適当に経営するだけでは成功が期待できないため、一概に「風俗業界の将来性は明るい」とは言えないことに注意が必要です。
風俗業界で成功を収めるためには、風俗経営に関する知識を身につけるのはもちろん、お店のコンセプトを明確にしたり、質の高いキャスト・スタッフを確保したりすることも欠かせません。低リスクで風俗業界へ参入したいなら、デリヘルフランチャイズへの加盟がおすすめです。