風俗店の仕組みを理解する上で、キャストに支払われる給料のシステムを学ぶことが重要です。風俗店の売上の多くは、キャストに支払われる給料となるためです。また、給料システムは、キャストのモチベーションや採用活動にも大きな影響を与えます。このような意味でも、給料システムへの理解は風俗店の開業を目指す場合は欠かせません。
この記事では、風俗店における給料の仕組みについて詳しく解説します。また、営業形態の違いが風俗店に与える影響も大きいため、営業形態の種類についても取り上げます。風俗店の開業を目指す方は、ぜひ参考にしてください。
風俗業界におけるキャストの給料は、完全歩合制・出来高制によって支払われます。一般的なアルバイトの場合、時給制であれば8時間働けば8時間分の給料が支払われます。しかし、完全歩合制の風俗では、8時間お店にいたとしても1人もお客さんがつかなければ売上は立たないので給料は支払われません。
ただし、お店によっては保証制度によってその日の稼ぎが0円でも、お店が保証した金額が給料として支払われる場合もあります。
完全歩合制・出来高制は厳しい世界ではあるものの、接客1回あたりの単価は高く、昼職に比べると稼ぎやすいのは事実です。
風俗店の歩合制の給料システムは、基本的に次のようになっています。お店によって若干の差はありますが、以下が一般的なシステムになるので把握しておきましょう。
キャストに支払う報酬=コースバック+指名バック+オプションバック+ボーナス-雑費
上記の各項目について、ここでは具体的に解説します。
コースバックとは、お客さんが支払うコース利用料金に対するバック金額のことです。コースバックが風俗嬢の給料のベースとなります。
バック率の平均相場は50%〜60%です。女性が風俗店選びを行う際は、コースバックの金額が最重要視されます。以下が、コースバックによって女性が受け取る金額の計算式です。
風俗嬢が受け取る金額=お客さんが支払うコース料金×バック率
例えば、バック率が50%、コース料金が20,000円の場合、20,000×0.5=10,000円となり、風俗嬢の取り分は10,000円となります。
また、お店によっては70%以上のバック率を出すところもあります。しかし、超売れっ子の女性やAV女優・モデルなどの肩書きがある女性などに適用されることが多く、ごく一部の女性に限られているのが現実です。
お客さんが風俗嬢を指名するときに支払う指名料と言われるものがあります。指名バックとは、お客さんが支払った指名料から風俗嬢に支払われる金額のことです。
女性は指名される回数が多いほど、指名料を多くもらうことができます。
指名には種類があります。パネル写真を見て指名する「写真指名」や、ホームページの写真を見て指名する「ネット指名」、一度相手をしてもらった女性を再度指名する「本指名」の3種類です。
お客さんが支払う指名料金は1,000円〜4,000円が相場です。写真指名やネット指名の場合、指名バックは0%〜50%ほどですが、本指名の場合は、50%〜100%バックが相場になります。本指名は女性キャストの努力によるものであると考えられるため、非常に高いバック率が設定されることが多いです。
風俗では基本プレイの他に、オプションプレイと呼ばれるものがあります。オプションプレイの種類は、バイブや電マ、ローター、ごっくん、コスプレなどさまざまです。基本的に10〜20種類用意されており、無料オプションと有料オプションがあります。
どのプレイ内容を対応可能にするかは女性が選べますが、オプションプレイをすることによって還元を受けることができるのがオプションバックです。そのため、女性はオプションをたくさんつけてもらうほどより多くの金額を稼ぐことができます。
お客さんが支払うオプションプレイの料金相場は1,000円〜20,000円以上とかなり幅広く設定されています。オプションの料金やバック率はお店ごとに違いますが、一般的にはオプション料金の50%以上の金額がオプションバックとして還元されることが多いです。中には全額バックのお店もありますが、オモチャなどの道具を使うオプションは半額、道具を使わないオプションは全額バックというように区別されているお店もあります。女性への負担が大きいほどオプションの金額は高くなり、その分バック率も上がります。
ボーナスにはいくつか種類があり、お店によって内容や金額が違いますが、代表的なボーナスは「入店祝い金」です。
入店祝い金とは、体験入店や本入店をした場合にもらえるボーナスのことです。ボーナスをもらったらすぐに辞めるなど、女性の早期退職を防ぐために、入店後に一定回数出勤してから支払われるという仕組みにしているところが多くなっています。
また、入店祝い金の他に、本指名を月に○本以上獲得できればボーナスが発生するという場合もあります。さらに、風俗ポータルサイトやホームページへの顔出しをすることでボーナスをもらえるなど、お店独自のボーナスを設けているところもあり、ボーナスの種類はさまざまです。
雑費は業務中に発生する経費のことで、この雑費代は給料から引かれます。具体的には、タオル・ローション・イソジンなどの備品代やコスプレなどの衣装代、クリーニング代、送迎代などが雑費として引かれます。
雑費の計算方法は、お店ごとに異なるのが特徴です。コース1本ごとに雑費が引かれる場合や、給料から決まった割合で引かれる場合、引かれる金額が固定で決まっている場合などさまざまです。お店によっては雑費代がないところもありますが、雑費代を引かない代わりにコースバックなどのバック率が低く設定されているところもあります。
風俗店の仕組みは営業形態によって異なります。店舗を持って営業を行うか否かで、営業時間の制限や行政への手続きの方法などが変わるので気をつけましょう。
風俗には「派遣型風俗」と「店舗型風俗」の2種類があります。ここでは、派遣型風俗と店舗型風俗の営業形態の違いについて解説します。
派遣型風俗とは、実店舗を持たずお客さんから電話予約の連絡が入った際に指定された場所に女性を派遣する風俗店のことです。お客さんが指定する場所はラブホテルや自宅などが一般的とされています。
派遣型風俗で代表的な業種はデリバリーヘルス(デリヘル)です。デリバリーヘルスはファッションヘルスと同じサービス内容ですが、実店舗を持っていません。
派遣型風俗ならではの特徴として、店舗型風俗よりも店舗数が多いことが挙げられます。その理由は、店舗型に比べると条例などの規制が少なく、24時間営業をすることも可能なためです。深夜0時以降の営業も認められているため、幅広い時間帯で営業しています。好きな時間帯にサービスを利用できることから、お客さんのニーズも高くなっています。女性側も生活リズムに合わせて仕事をする時間を選びやすいため、双方にとってメリットの多い点が特徴です。
派遣型であるため、事務所や待機所はどこでも良く風俗街である必要がありません。利点が多いことから、派遣型風俗は店舗型風俗よりも人気の傾向にあります。
店舗型風俗とは、実店舗を構えて営業している風俗店のことです。お客さんは店舗へ行き、店内の個室でサービスを受けます。店舗型風俗は繁華街や風俗街などの人通りの多い場所に店舗を構えるのが一般的です。
店舗型風俗の代表的な業種は、ソープランドやファッションヘルス(箱ヘル)です。
お客さんは女性の指名などがなければお店に入ってすぐにサービスを受けることができます。デリバリーヘルスなどの派遣型店舗と比べて、待ち時間が少ないことが特徴として挙げられます。お客さんにとっては、ホテル代が必要ありません。飛び込みで入店しやすく、昔ながらの風俗店といった印象が強いでしょう。また、受付の際はスタッフと対面し、フロントで受付をする必要があります。
しかし、店舗型風俗は風営法という法律により営業時間や営業所が定められており、実質的に新規開業ができないという制限があります。また、営業時間は午前0時〜午前6時の間は営業できないルールになっており、派遣型風俗に比べると、営業時間が短いのも店舗型風俗の特徴です。
風俗店におけるキャストに支払われる給料の仕組みは、完全歩合制・出来高制が基本です。お客さんが支払うコース料金の一部を中心に、指名料やオプション料金がキャストの報酬となります。コース料金に対するバック率は、店舗によって異なりますが50%〜60%が平均です。
風俗店の仕組みは、営業形態によって異なります。必要な法令上の手続きや営業時間は、営業形態によって異なるためです。風俗店の開業を目指す場合は、給料システムと営業形態について、しっかりと理解を深めましょう。